こんにちは
にしむらです
自立と心理の関係
今回は、タイトルにもある通り、「自立と心理」の関係についてです。
私たちが幼い頃から感じてきた心理状態が、その後の自立にどのような影響を与えたのか?についてお伝えできればと思います。
2つの自立と心理の関係
突然ですが、この記事に辿り着いたあなたは、「大人になった今からでも、しっかりと自立したい」と思っていらっしゃいますか??
私は、ほんの数年前まで思っていました。
「精神的にも経済的にも自立したい」
このような考えを常に持っていましたし、無力な自分を責め続けていました。
自立という言葉を聞いた時、あなたの中には、どんなイメージが浮かびますか?
多くの人が「立派に成長した素晴らしい大人」という前向きなイメージを抱くでしょう。
しかし、心理学の視点から見ると、「人も自分も信じられているポジティブな自立タイプ」と 「人も自分も心からは信じられていない ネガティブな自立タイプ」があると言えます。
自立する上で重要なのは正しい依存と安心感
自立の前にお話したいのが、正しい依存についてです。
私たちがこの世に人間として誕生してから、自立するまでの間には、必ず誰かに依存して生きてきました。
赤ちゃんを想像していただければ分かるように、生命を維持するためには、100%の依存が不可欠です。
この時、求めれば寄り添ってお世話してくれるお母さんがいる事で、赤ちゃんは安心して泣くことが出来たり、安心して眠ることもできるのです。
その経験があれば、人生の良いスタートを切れるということです。
一方で、この依存の段階でも、すでに安心感を得られない状況が起きてしまう場合があります。それは、分かりやすく言えば、ネグレクトや、機能不全家族です。
たとえ、そこまでの過酷な状況にない場合の、無関心、過干渉でも同様に不安を感じてしまう場合があります。
どんな出来事が起きたら、どんな感情になるの?
それでは、依存の必要な時期に、具体的にどんな状況が起きていたのか?を比べてみましょう。
●安心感を感じられた状況
・安心感に包まれいつも穏やかに受容されていた
・必要な時には包み込んでくれた
・泣いたら助けてもらえた
・泣くことを制限されず思いっきり泣けた
・穏やかな空間で過ごせていた
●安心感を感じられなかった状況
・泣いてもなかなか助けてもらえなかった
・泣くことを諦めて我慢していた
・忙しそうな姿を見て、寂しい気持ちを抑えていた
・強い言葉に恐怖を感じていた
・結果ばかりを求められていた
それぞれの「安心と不安」が生まれた背景には、この様な出来事があったのです。
「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、特に3歳までに経験した感情が、その後の人生過程に大きな影響を与えるという事は、ご存知だと思います。
つまり、私たちは、幼い頃に感じた心の土台を持ちながら、自分なりの経験を積んで自立してきました。
自立のタイプを見極めるポイントは心の中にある感情
自分に当てはまる自立タイプを見極める重要なポイントは、土台となっている感情を知る事です。
●ポジティブな自立の土台には、「人も自分も信じられる気持ち」があります。
先にお伝えした出来事によって、人を信じ、自分の存在を自らが肯定できていて、安心出来る自信を手に入れた状態です。
●一方でネガティブな自立の土台には「誰も頼らない、1人で頑張る気持ち」があります。
私は助けてもらえない存在だと思い込んでしまっていたり、人に甘えることは良くないことだと思ってしまっている状態です。
成長する過程では、これらの感情がさらに強化されることが多く、ポジティブな経験はさらなる自信を育み、ネガティブな経験は不安をより増幅させる傾向にあるのです。
例えば、学校や職場で、「教えてください」「聞いていい?」「私の悩み聞いて」と、自己開示したときに、「忙しい」「前にも言ったよ」「そんな事気にしてるの?」と言われると、ますます信じられない状態になり、意固地になったり、独りよがりになるのです。
普段の生活、人間関係に及ぼす影響とは?
自立のスタイルによって、人間関係や生活面ではどのように影響していくのか?についてお伝えします。
●ポジティブな自立をしている人は
・人との適切な距離感を保てる
・前向に新しい学びや挑戦を楽しめる
・必要に応じて人に頼り、良好な人間関係を築ける
・失敗しても自分の価値を傷つけない
●ネガティブな自立をしている人は
・分かってくれそうな人に過剰に依存する
・人を怖がり孤独を好む、物に執着する
・自信がなく挑戦を怖がる
・人に甘えるのが苦手で1人で頑張ってしまう
生活面、人間関係においてもこのような違いが生じてきます。
また、ネガティブ自立をしている場合には、
「誰もわかってくれない」
「弱みは見せられない」
と、感じてる場合が多く、人との関わりに消極的になり、過去の私の様な引きこもりを好む事があります。
このような場合、心の中には「これ以上傷つきたくない」という自分の心を守るための心理が働いてます。
かつての私は、独りよがりで、まさにネガティブな自立をしていました。
対人・親子関係でも自信を持って関われず、その度に自己嫌悪に陥り、ますます孤独になっていきました。
私は、人に甘えるのが下手なうえ、共感してくれる人がいれば依存してばかりで、良好な距離感が掴めずにいたのです。
このように、土台となっている感情一つで、人間関係にも生活にも、大きな影響を与えてしまうんですね。
愛着の寂しさが引き起こした ネガティブ自立
自立までのプロセスについては、これまでの育ちや、愛着の土台よって作られた感情が、大きく影響している事がわかると思います。
なぜか、いつも人を心から信じられない…と感じる背景には、こんなに幼い頃の経験が関係していた、ということにも気が付いていただけると思います。
私と同じように、
幼い頃の寂しさを根っこに持つ方は、安心して人に頼れない傾向が強く「ネガティブな自立」タイプが作られやすい事がわかっています。
ご自分がネガティブ自立のタイプかもしれないと感じたのであれば、あなたは必要以上に自分を責めることなどありません。そんな思いに気づいていただけたら嬉しいです。
ポジティブな自立は豊かな人生を送るための鍵
今回は、「ポジティブな自立」と「ネガティブな自立」についてお伝えしました。
うまくいかない対人関係に悩まれている方の多くは、ネガティブ自立していた可能性が高いのです。
目指したいのはもちろん「ポジティブ自立」
自分も人も、社会も信じて生きていきたいですよね。
大人も子供も、安心安定の土台があってこそ、自分自身を信じられ、だからこそ、相手のことも信頼できるということが、お伝えできたと思います。
しかし、もう とっくに成長段階は過ぎている…手遅れでは??と思ってしまいますよね。
大丈夫です。大人になったからと言って、諦める必要はなかったと、私が実体験しました。
自分自身で心の土台から育て直すことは可能ですし、ご自分で気づいた時が一番のチャンスです。いつからでもポジティブな自立を作ることができます。
ポジティブな自立をすることで
☑️ 関わる人の言葉や言動が気にならなくなる
☑️ 人からの評価で一喜一憂することがなくなる
☑️ 自分のことも卑下することがなくなり自己価値を感じられる
☑️ 家族、社会を信じる事ができる
☑️ ありのままの自分に自信が持てるようになる
☑️ 適切に人に甘えたり、助けてと言える様になる
☑️ 子供への自立の方向性が明確になる
今回のお話が、ご自身の心の土台を知るきっかけになれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。